アンコールワット観光は欲張り厳禁!
カンボジア・シェムリアップといえば、仏教とヒンドゥー教の思想が合わさって構成されている巨大なアンコール遺跡群の観光地として有名です。
アンコール遺跡群の人気の観光ルートとしては、大回りと小回りの2つのコースがありますが、今回この2つのルートを1日でまわるという欲張りを敢行した結果、見事に地獄をみることになりました。
本記事では、アンコールワットの大回りコースと小回りコースを同時にまわることがいかに危険か、その理由についてお伝えしていきます。
最後には訪れた順に遺跡の紹介もしているので、ぜひご覧ください。
アンコールワットの基本情報
現在のカンボジア王国の前身であるクメール王朝の首都機能を持っていたアンコール遺跡群。
元々は世界危機遺産に登録されていましたが、2004年からは世界文化遺産として認定され、現在では世界中から観光客が集まっています。
営業時間 | 5:00 〜 17:30 |
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定休日 | なし |
入場料金 |
|
しかし料金がめちゃくちゃ高いですね…。
チケット購入時に顔写真を撮られるので、「3日券を買って他の人とシェア!」なんてこともできないようになっています。
ちなみにチケット購入の際はクレジット決済が可能です。
アンコールワットへの行き方
アンコールワットの入り口までは、
- シェムリアップ中心部からトゥクトゥクで20分
- 自転車だと40〜50分
で到着します。
大回りコースや小回りコースをまわる場合は、前日までにトゥクトゥクをチャーターしておきましょう。
トゥクトゥクは基本1台あたりの料金になるので、1人あたりの料金を安くするには、なるべく多くの人を集める必要があります。
アンコールワットの回り方を解説!大回り・小回りコースって?
アンコールワット観光の大回り・小回りコースは、トゥクトゥクの兄ちゃんの提案や、一緒にいくメンバーの気分によって詳細は変わってきますが、ざっくり以下のようなルートを通ります。
アンコールワット観光の大回りコース(赤)
①アンコールワット→②アンコールトム→③プリアカン→④ニャックポアン→⑤タソム→⑥東メボン→⑦プレループ
アンコールワット観光の小回りコース(青)
①アンコールワット→②アンコールトム→③タケウ→④タプローム→⑤バンテアイクデイ→⑥スラスラン
アンコール遺跡をいっきにまわるのが地獄な理由
大回り・小回りコースを1日でまわることが地獄な理由は以下の通り。
- 朝が超絶早い
- 長時間行動
- 日照りにさらされまくる
- お昼が少ない(自分が悪い)
- 似たような景色ばっか…
前提として述べておきたいのは、遺跡自体はどれも素晴らしいものであるということ。
ただですね、やはり何事も加減というものが大事ですね…
時間とお金に余裕のある方は、間違いなく日程をわけてまわることをおすすめします。
1.朝が超絶早い
アンコールワットから日の出を拝むため、出発時間は朝の4時半。
ご覧の通り、外は真っ暗です。
朝日の風景はとっても幻想的で、朝早く起きる価値はありありですが、この”早朝行動開始”というのが、この日全体に大きく響いてきます…
ちなみにアンコールワットの日の出を見に行った際の詳細は「アンコールワットの朝日を見る前に必読!ベストな見学場所と注意点」をご覧ください。
2.長時間行動
それぞれ5〜7時間かかる大回りコースと小回りコースを1日でまわるので、どうしても行動時間は長くなってしまいます。
遺跡をめぐる時間は、日の出から日の入りまで。
宿を出発してから帰宅するまでで、ズバリ15時間ほどかかりました…
3.日照りにさらされまくる
照り。
照り照り。
照りっ照り。
アンコール遺跡群は多くが屋根もなくむき出しになっているので、1日中、日光にさらされることになります。
遺跡間を移動するのもトゥクトゥクだったので、日照りをふせぐのもお気持ち程度。
遺跡内部の通路などは日陰ができていますが、風が吹かないので、とにかく暑さとの戦いです。
こまめに水分補給をしなければ本当に死んでしまいます。
4.お昼が少ない(自分が悪い)
トゥクトゥクの兄ちゃんが途中で止まってくれるレストランはどこも観光客向けの価格設定になっています。
今回一緒に回っていたメンバーはみんな節約系バックパッカーだったので、紹介されたレストランでは飲み物だけ頼んでとっとと退散することに。
そしてお昼は、遺跡間の移動の際にたまたま見つけたローカル向けの屋台。
謎の麺に謎の固形物をぶっかけられたこちらのランチ、お値段なんと1ドルです。
ただ量が少なすぎて、体力を消耗しすぎる1日には足りなすぎるお昼ご飯となってしまいました。
5.似たような景色ばっか…
まずは以下の写真たちをご覧ください。
…おわかりいただけただろうか。
これら、すべて別々の遺跡なんです。
陽にさらされつづけ、
歩き疲れ、
加えて「あれ、これさっき見なかった?」のオンパレードともなると、
ほとんどの人が途中から写真を撮ることを放棄します。
相当な遺跡マニアでもない限り、最後まで飽きずに見続けることは不可能でしょう…
大回り・小回りコースを1日でまわった際の流れ
ここからは実際にアンコールワットの大回りコースと小回りコースを1日でまわった時の様子をお届けします。
まずは日の出を見にアンコールワットへ
1日の始まりはアンコールワットから。
日の出前から完全に太陽が顔を見せるまで、アンコールワットの様々な表情を見ることができます。
アンコールワットの内部見学
朝日鑑賞後はそのままアンコールワットの内部へ。
日の出を見た後は、ほとんどの人が一旦朝ごはんを食べにホテルに戻るらしく、かなり快適に見学することができました。
回廊に張り巡らされレリーフ。
『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』など、有名なヒンドゥー教の神話などが描かれています。
アンコールワットの中は規制が少なく、自由に見て回れるのがいいですね。
ただ広すぎて迷いやすいし、似たような壁画や建造物が多いので、個人で行く場合はガイドアプリなんかを取っておくことをおすすめします。
本当に自由にどこでも行けちゃうので、写真のお姉さんみたいなこともできちゃいます。
危ないのでおすすめはしませんが。
お気持ちでお金を渡すとお祈りをしながらミサンガをつけてくれるお坊さん。
観光客が次から次へと集まってました。(この坊さんたぶん相当儲かってます)
アンコールトム内を散策
次に向かったのは、アンコールワットのすぐ北に位置するアンコールトム。
アンコールトムは城砦や寺院を合わせた都市構造になっており、エリア内で複数の遺跡を見ることができます。
バイヨン
アンコールトムの中でも一番有名なバイヨン。
思ってたよりもかなりデカかったです。
クメールの微笑み。
中は入り組んでいて、まるでゲームの中に入り込んだかのような景色を見ることができます。
ここら辺ではまだまだ元気だったので、寺院内を散策しまくり。
なんかのお祈りしてました。
バイヨンは四方どこから見ても同じ形をしているので、うっかりしてるとどこから入ってきたのか、そしてどこが集合場所なのかがわからなくなってしまうので、注意しましょう。
バプーオン
続いては、アンコールトム内にあるバプーオン。
3層からなるピラミッドのような形をしています。
こちらも近くで見るとかなりでかい。
このような通路を通って屋上に向かいます。
最上階はこんな感じで、神秘的な空間が広がっています。
残念ながら一番上までは上がることができませんでした。
バプーオンの最難関、帰りの直角階段。
この階段、本当に急すぎて手すりを掴まないと確実に転げ落ちます。
万里の長城で体験した直角階段よりも直角に感じましたね…。
ピミアナカス
こちらもアンコールトム内にあるピミアナカス。
王様が儀式を行うのに使っていた寺院だそうです。
タ・プローム
アンコールトムを後にして訪れたのは、樹木と遺跡のコラボレーションが魅力的なタ・プローム。
シェムリアップ郊外にあるベンメリア遺跡と共に、日本人には『天空の城ラピュタ』に出てきそうということで知られていますが、映画『トゥームレイダー』の撮影地としても有名ですね。
ちなみにこの写真の場所は人気の撮影スポットになっているので、このように誰も映らない写真を撮るのは至難のわざです。
この時も、ヨーロッパ系のお姉さんとおばさんが場所の取り合いで喧嘩してました…
譲り合いの精神でいきましょう。
プレループ
「上登る人ー?」
「…」
みんな疲れすぎて、下からざっくり眺めて終了。
ごめんなさい、プレループさん。
タ・ソム
本日何度か見たような気がする入り口を抜けて現れたのは、
本日何度か見たような気がする寺院。
さらに進んでいくと、木に囲まれた広場に涼しい空間が広がっていました。
木がこれでもかってくらい遺跡にめり込んでしまってますね。
ちなみにタ・ソムの最深部であるこの場所では、物売りの子供がめちゃくちゃ多かったです。
ニャック・ポアン
今回のアンコール遺跡めぐりで一番感動した場所。
ニャック・ポアンに向かう途中の橋からの景色です。
パノラマ撮影するとこんな感じ。
綺麗だけど、やっぱり肉眼には勝てない…
この景色が左右に広がっていて、湖の真ん中を歩いている感覚になります。
本来のメインは、沐浴することで病気が治ると伝えられているこちらの池ですが、道中の景色に全部もっていかれてますね。
プリアカン
蛇を石像たちが引っ張っている不思議な入り口を抜けてたどり着いたのは、プリアカン遺跡。
ここではタ・プロームに似てる景観も見ることができます。
木ののめり込み度でいうと、タ・プロームよりも激しいですね。
比較的人が少ないので、のんびりまわることができました。
プノンバケン
最後に訪れたのは、アンコール遺跡群の夕日スポットとして一番有名なプノンバケン。
入り口から20分ほど坂を登り、遺跡にたどり着いたかと思えば、現れたのは長蛇の列。
プノンバケンは1度に登上できる人数が決まっていますが、夕日の時間が近づくにつれて次々に人が集まってしまうので、並ばずには入場できません。
1時間以上並び、ようやく遺跡の頂上へ。
日の入りの時間にギリギリ間に合いました。
がしかし、残念ながら空は雲に覆われてしまい、サンセット鑑賞はあえなく断念。
大人しく下山して帰路につきました。
アンコールワット観光時の注意点
- チケットはどれを買えばいい?
- 肌の露出は厳禁
- 日光対策を忘れずに
最後に、アンコールワットを1日で観光してみて感じた注意点を紹介します。
チケットはどれを買えばいい?
まず、ほとんどの人は1日券で十分だと思います。
裏技を使えば前日もアンコール遺跡に入場できますし、よほどの遺跡愛好家でもない限り、大回りコースと小回りコースはどちらか一方をまわれば十分です。(個人的にはニャック・ポアンを通るコースをおすすめします。)
どうしても大回りと小回り両方行きたい人や、郊外にあるバンテアイ・スレイなどにも行きたい人は3日券、
遺跡は全部見なきゃ気が済まない!アンコールワットにも何回も行きたい!って人は7日券、
が適してると思います。
※あくまで個人的な見解なので参考程度に。
肌の露出は厳禁
アンコール遺跡群は、信仰の対象ともなっていて神聖な場所なので、過度な肌の露出は厳禁です。
各遺跡の入り口で揉めないように、スカートやノースリーブなどは避けるようにしましょう。
僕が今回一緒行動していた人も「ランニングシャツはだめだ」とバプーオンで入場拒否され、近くのおみやげ屋さんでTシャツを買っていました。
ちなみに僕はTシャツ&ハーフパンツ&サンダルでしたが、これくらいであれば一度も止められることはなかったです。
日光対策を忘れずに
アンコールワット周辺では、日陰の少なさと日光の強さが尋常ではありません。
水をこまめに飲むのはもちろんのこと、帽子や日傘などがあると便利だと思います。
また、日焼け止めはほぼ必須。
何も対策せずに1日中アンコール遺跡をまわっていると、もれなく全身丸焦げになるので注意しましょう。
アンコール遺跡はゆっくりまわりましょう
先ほども述べましたが、アンコール遺跡群はどれも興味深く、素晴らしい遺跡であることに間違いありません。
ただ、1日で無理に回ろうとすると中盤で間違いなくお腹いっぱいになります。
どうか自分のペースで、ほどよい程度に観光を楽しみましょう。