カオサンロードのいま。
「バックパッカー=カオサン」
といわれるほど、かつては世界中からバックパッカーが集まっていたカオサンロードですが、今や旅人が必ず行くべき場所ではなくなっています。
本記事ではそんなかわりゆくカオサン通りの様子と、実際に僕が行ってみて感じた「カオサン通りがおすすめな人」についてせまっていきます。
カオサン通りが「バックパッカーの聖地」と言われていた理由
バンコクにあるカオサン通りにはかつて、
- 旅の情報交換
- 旅に必要なアイテム調達
- バスや航空券のチケット
- 激安の屋台やゲストハウス
などを求めて自然と旅人が集まっていたようです。
バックパッカースタイルの旅行に必要なものが全てそろうことから、カオサン通りは”バックパッカーの聖地”と呼ばれていました。
2000年代前半ごろまでは、webサービスも今ほど成熟していなかったため、旅の情報を入手するのも、チケットの手配をするのも全て人と対面で行う必要があったんですよね。
だから世界各国にカオサンロードのようないわゆる”バックパッカー通り”がつくられていきましたが、現在はwebサービスの発達やスマートフォンの普及によって、かつてのバックパッカー通りの用途はほとんど代替されてしまったようです。
今のカオサン通りはただの観光地
- ネットで多数の旅の情報を入手できる
- 宿や航空券の予約もネット上で完結する
- 安く良質なゲストハウスがバンコク中に溢れている
などの理由からバックパッカーはもはやカオサン通りにくるメリットを感じなくなり、だんだんとカオサン通りは、
「バックパッカーが聖地を求めてやってくる」
というよりは、
「バックパッカーの聖地を見ることを目的としていろんな人がやってくる」
ようになり、その結果ただの観光地となりました。
2019年現在のカオサンロードは、安い屋台などは確かに探せばありますが、基本的に相場はバンコクの他のローカル向けの屋台よりは高く、旅行客向けに価格設定をしている小洒落たレストランやバー、お土産屋さんなどが多く軒を連ねています。
カオサン通りに宿をとるメリットはあるのか
- アクセスが悪い
- 夜は人混みも人混み
- 夜通し爆音クラブ状態
- 安いご飯を見つけるのに一苦労
- 大麻密売なども多い
これだけみると今のカオサン通りにいい面はありませんが、ざっくり言ってしまうと、
お祭り気分を常に味わいたい人にはうってつけ
です。
世界中から人が集まるのは今でも変わらないですし、夜22時を越えるとバーから流れでる音楽に合わせて徐々に人が増えていき、気づいたら路上がクラブ状態になります。
逆に言えば、今のカオサンの見どころはそれくらい。
通りを歩けば
- 大量のサソリを乗せた皿を押し付けられたり
- 「マリファナ?」と耳打ちされたり
- ハッピーアワー、ハッピーアワーと連呼されたり
ただただ疲れます。
安い宿とかマッサージとかは他の地区にもたくさんあるので、人混みやうるさいのが苦手な人には合わないと思います。
カオサン周辺のゲストハウスは質が低い
ちなみに僕はせっかくバンコクにきたからと、試しに行ってみましたが人混みが大嫌いなので、まったくあわずにすぐ退散。
カオサン通り近くのゲストハウスにも何度か宿泊したことはありますが、総じて言えるのは、どこも汚かったり、うるさかったりで、バンコクの他地区の同価格帯の宿と比べると質が圧倒的に悪いです。
他地区への移動がめんどくさい
あとカオサン通りは、何と言っても交通の便が悪すぎるんですよね。
割と鉄道網が発達しているバンコク市内ですが、なぜかカオサン通りがある王宮周辺には線路が伸びていません。
カオサン通りからバンコクの街に出るには、20分ほど歩いてからボートに乗るか、トゥクトゥクやタクシーに乗ってパヤタイ駅やファランポーン駅まで行って電車を利用するかしないといけません。
なので結論はよほどのパリピでもない限り、カオサン通りに宿をとるメリットはもはやないですね。
個人的には、スクンビットなどの綺麗な安宿に泊まって、少し興味があるなら滞在中にちらっと足を運ぶ程度で十分だと思います。
時代が変われば街も変わる
カオサン通りはかつての
「安さと情報を求めてバックパッカーが自然と集まっていた」
状態から
「バックパッカーですら観光地のひとつとして訪れるパリピ通り」
へと変貌をとげました。
一昔前までは誰もが手探りでしていた”旅”ですが、いつしか旅人はスマホを手にし、効率を求めるようになったのがその大きな要因だと思います。
こういった時代の変化を感じながらカオサン通りを歩くのも面白いかもしれないですね。