- 世界の巨匠の作品が集まるナショナル・ギャラリー
- ナショナル・ギャラリーの開館時間・入場料・荷物について
- ナショナル・ギャラリーへの行き方
- 【見どころはコレ】ナショナル・ギャラリーにある有名な絵一覧!
- 『ひまわり』/フィンセント・ファン・ゴッホ
- 『アニエールの水浴』/ジョルジュ・スーラ
- 『ホイッスルジャケット』/ジョージ・スタッブス
- 『解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号』/ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー
- 『鏡のヴィーナス』/ディエゴ・ベラスケス
- 『サムソンとデリラ』/ピーテル・パウル・ルーベンス
- 『ヴァージナルの前に立つ女』/ヨハネス・フェルメール
- 『サン・ロマーノの戦い』/パオロ・ウッチェロ
- 『キリストの洗礼』/ピエロ・デラ・フランチェスカ
- 『総督レオナルド・ロレダンの肖像』/ジョヴァンニ・ベッリーニ
- 『大使たち』/ハンス・ホルバイン
- 『バッカスとアリアドネ』/ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
- そのほか、個人的におすすめの作品
- 2020年、ナショナル・ギャラリーが日本にやってくる!
- Googleマップでナショナル・ギャラリーの雰囲気を体験してみよう
- ナショナル・ギャラリーは美術館に興味がない人にもおすすめです
世界の巨匠の作品が集まるナショナル・ギャラリー
ロンドン観光で外せないスポットのひとつ、ナショナル・ギャラリーをご紹介します。
ナショナル・ギャラリーは、イギリス初の国立美術館としてはじまり、現在は私たち日本人でもテレビや教科書など普段の生活の中で、誰もが一度は見たことがあるような有名作品がたくさん展示されています。
今回はそんなナショナル・ギャラリーの観光情報と、観光時に見逃せない有名な作品たちを一挙解説していきます。
ナショナル・ギャラリーの開館時間・入場料・荷物について
営業時間 | 10:00〜18:00(金曜日のみ10:00〜21:00) ※営業時間終了の5分前から閉館が始まります。 |
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定休日 | 12/24〜26、1/1 |
入場料 | 無料 |
その他設備 | オーディオガイド(5ポンド)、無料Wi-Fi、荷物預け用ロッカー(2ポンド)、カフェ・レストランなど |
ナショナル・ギャラリーの入場料は無料ですが、美術館の維持のため、お気持ちで寄付箱にお金を入れることをおすすめします。
直接お金を入れなくても、施設内のレストランやお土産屋さんを利用するのもいいと思います。
なお、入場の際には荷物検査があり、ロッカーに入る大きさ(56 x 25 x 45 cm)をこえる荷物を持っている人は入場を断られることがあるそうなので要注意です。
※ベビーカーや盲導犬は持ち込みOKのようです。詳しくは、ナショナル・ギャラリーの日本語公式サイトをご覧ください。
ちなみに館内マップは有料でした。(2ポンド)
英語版でもよければ、公式サイトから無料でダウンロードできるので、事前にチェックしてみてください。
ナショナル・ギャラリーへの行き方
ナショナル・ギャラリーは、ロンドン観光の中心地トラファルガー広場に面した美術館です。
最寄り駅は、地下鉄ノーザン線とベーカールー線が通るチャリング・クロス駅。
また、レスター・スクウェア駅(ノーザン線とピカデリー線)からでも徒歩3分、ピカデリー・サーカス駅(ベーカールー線とピカデリー線)からも徒歩5分でたどり着くことができます。
周辺にはバッキンガム宮殿やビッグ・ベンなど、ロンドンの主要観光スポットも集まっているので、非常にアクセスはしやすいです。
【見どころはコレ】ナショナル・ギャラリーにある有名な絵一覧!
- 『ひまわり』
- 『アニエールの水浴』
- 『ホイッスルジャケット』
- 『解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号』
- 『鏡のヴィーナス』
- 『サムソンとデリラ』
- 『ヴァージナルの前に立つ女』
- 『サン・ロマーノの戦い』
- 『キリストの洗礼』
- 『総督レオナルド・ロレダンの肖像』
- 『大使たち』
- 『バッカスとアリアドネ』
『ひまわり』/フィンセント・ファン・ゴッホ
いわずと知れたゴッホの『ひまわり』(1888年作)。
黄色から希望と友愛を連想して描いたこの作品を、ゴッホ自身は特に気に入ってたようで、友人である画家のゴーギャンが家に来るのを待ちわびて、ゲストルームに飾っていたそうです。
実はゴッホは南フランスのアルルに滞在していた際に、『ひまわり』という作品を7点書いたと言われていますが、その際にこのナショナル・ギャラリーにある『ひまわり』と全く同じ構図で描かれた作品が、なんと東京・新宿にある損保ジャパン日本興亜美術館に展示されています。
『ひまわり』を見てみたいけどロンドンまで行くのはちょっと…といった方はぜひ新宿に足を運んでみてください。
※なお2020年5月27日までは移転作業のため閉館しているようです。ご注意を。
『アニエールの水浴』/ジョルジュ・スーラ
1884年に描かれた作品で、パリ郊外にあるアニエールの日常風景をうつしだしています。
右側に見えるのは、グランド・ジャット島という中洲で、遠くに見えるのは、クリシーという地区にある工場。
ちなみに右側にいる少年がかぶっている赤い帽子は、スーラが光の鮮やかさを表現するために点描表現をあみ出したあと(1886年ごろ)に書き加えられたと考えられています。
『ホイッスルジャケット』/ジョージ・スタッブス
1762年に、ホイッスルジャケットという競走馬を実物大で描いた作品。
この馬の均整のとれすぎた美しい体つきを後世に残すため、所有者であった第2代ロッキンガム侯爵チャールズ・ワトソン=ウェントワースという人物の依頼で作られたそうです。
この絵はとにかくでかすぎて、ホール内で一番目立ってましたね。
写真ではあまり伝わらないかもしれませんが、間近でみると圧巻の迫力です。
『解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号』/ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー
こちらは、1838年に描かれたウィリアム・ターナーの作品。
タイトルめちゃくちゃ長いですね…。
テメレール号とは、英軍がナポレオン軍を破ったトラファルガーの海戦で大活躍した戦艦のこと。
この英雄とも言えるテメレール号が役割を終え、解体されにいくという場面を描いています。
ひと時代の栄華を築いたテメレール号を引っ張っているのは、新時代の象徴である蒸気船。
そしてバックにあえて沈む夕日を描くことで、1つの時代の終焉、移り変わりを表現しています。(実際にテメレール号が解体された時間は、朝からお昼ごろだったと言われています。)
こうした背景を踏まえて鑑賞すると、非常にグッとくる作品です。
『鏡のヴィーナス』/ディエゴ・ベラスケス
1647〜51年の間に描かれた作品。
ローマ神話の女神ヴィーナスが寝そべりながら鏡を眺めている様子が描かれています。
17世紀当時、厳格なカトリックの国だったスペインでは、裸体を描くことは禁止されていたため、この作品はかなり珍しいのだとか。
ベラスケス作品のうち現存する唯一のヌード画らしいので、見逃さないようにしましょう。
『サムソンとデリラ』/ピーテル・パウル・ルーベンス
こちらは旧約聖書のワンシーンを描いた『サムソンとデリラ』。
イスラエルの英雄であったサムソンが、敵国の娼婦デリラに恋をし、自分の弱点は頭髪だということを教えてしまった結果、デリラはサムソンを裏切り、酔わせて眠っている間に頭髪を全て切り取って、力を奪ってしまうというシーンが描かれています。
この作品の見どころは、デリラのなんとも言えない表情にあります。
単純に敵に対する憎しみなのか、それとも情がうつってしまってサムソンのことを憂えているのか。
デリラの心情をイメージしながら眺めてみるのも面白いです。
『ヴァージナルの前に立つ女』/ヨハネス・フェルメール
わずか30数点しか現存しないと言われているフェルメール作品のうちの貴重な1点。1670〜2年作。
フェルメールの真骨頂とも言えるのが、この絶妙な光のバランスですね。
特に女性のスカートに描かれた明暗は、美しすぎてみとれてしまいます。
背後に掲げられているキューピッドの絵は、「一人は一人を愛すべきだ」という忠実な愛を表しており、その絵の前で穏やかにこちらを見つめる女性を描くことで、フェルメールは高貴な愛を表現したのではないかと考えられています。
ナショナル・ギャラリーには、この絵と対になっている『ヴァージナルの前に座る女』も展示されているので、ぜひ比較してみてください。
『サン・ロマーノの戦い』/パオロ・ウッチェロ
1432年に実際におきた、フィレンツェ軍とシエナ軍との戦いを表した作品。
この作品は1438〜40年に描かれており、当時こういった同時代の戦闘を絵画にすることは異例中の異例だったそうです。
『サン・ロマーノの戦い』は三連作となっており、このほかの2点は、パリのルーブル美術館と、フィレンツェのウフィッツィ美術館に展示されています。
『キリストの洗礼』/ピエロ・デラ・フランチェスカ
1450年代に描かれたとされている『キリストの洗礼』。
新約聖書の重要なワンシーンで、キリストが聖ヨハネによって洗礼を受けている様子が描かれています。
キリストの頭上にいる鳩は、三位の一つである精霊で、ちょうど絵の円形部分と正方形部分を分け、さらに絵を左右対称に分ける場所に位置されています。
また、左側の木は絵を黄金比で分けていることなどから、緻密な構図設計がなされた作品だと言われています。
『総督レオナルド・ロレダンの肖像』/ジョヴァンニ・ベッリーニ
1501〜02年当時、ヴェネツィア共和国の君主レオナルド・ロレダンを描いた作品。
この時代、正面を向いた肖像画を描くのは聖人に対してのみ許されていましたが、ちょうどルネサンス期における「神中心の世界観から人間中心の世界観にしよう」という潮流を受け、ベッリーニは思いきってこの正面を向いた肖像画を描いたとされています。
それにしてもこの人物描写、生で見るとリアリティがすごすぎて、思わず見入ってしまいました。
この絵には、一瞬で人を惹きつけるなにかを感じます。
『大使たち』/ハンス・ホルバイン
イギリス国王ヘンリー8世の元へやってきた二人の若者(フランスの大使とその友人である司教)を描いた作品。1533年作。
棚に置かれたものに関しては様々な議論がありますが、下段にある壊れたリュートは、宗教改革のまっただ中にあったヨーロッパにおける政治と宗教の不調和を暗示していると考えられています。
また、二人の足元にはいびつな物体が描かれていますが、これを横から見てみると…
頭蓋骨が現れます。
一説によると、「どんなに若く活力があっても、人は必ず死ぬということを忘れるな」といったメッセージが込められているらしい。
ただ一方で、背景にある緑のカーテンの左端の隙間には、救済・復活を意味するキリストの十字架像も描かれていたりするなど、色々と考えさせられる、なんとも意味深な作品です。
『バッカスとアリアドネ』/ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
ギリシア神話の「バッカスとアリアドネ」の物語を描いた作品。1520〜3年作。
島に置き去りにされたアリアドネを妻にするために、お酒の神であるバッカスが救いにきたシーン。
バッカスが勢いよく戦車から飛び降り、アリアドネがそれをみて驚いている様子を描いています。
のちにバッカスはアリアドネに冠を送りますが、これがかんむり座の由来だと言われています。
それを暗示するかのように、アリアドネの真上の空には輪状の星が描かれているのも注目ポイントです。
そのほか、個人的におすすめの作品
ここからはナショナル・ギャラリーを観光した際に、個人的に目にとまった作品をご紹介します。
(邦題がない作品は適当に訳してるので、間違いがあったらごめんなさい。)
『丘沿いのわらぶき屋根の家々』/フィンセント・ファン・ゴッホ(1890年)
『睡蓮の池』/クロード・モネ(1899年)
『グランド・カナルとサン・シメオン・ピッコロ教会』/カナレット
『海港 聖ウルスラの乗船』/クロード・ロラン(1641年)
『ローマ・テヴェレ川のスポーツ大会』/クロード・ジョセフ・ヴェルネ(1750年)
『ロブスターとメガネ』/ウィレム・カルフ(1653年)
『ベルシャザールの饗宴』/レンブラント・ファン・レイン(1636〜8年)
『ミッデルハルニスの並木道』/メインデルト・ホッベマ(1689年)
『聖母被昇天』/ フランチェスコ・ボッティチーニ(1475〜6年)
『愛の寓意 侮蔑』/パオロ・ヴェロネーゼ(1575年)
『割礼』/ルカ・シニョレッリ(1490〜1年)
『ヴァルミーの戦い』/エミール・ジャン=オラース・ヴェルネ(1826年)
『陶器花瓶に生けられた花束』/ジャン・バン・ハイスム(1736〜7年)
2020年、ナショナル・ギャラリーが日本にやってくる!
ナショナル・ギャラリーに行ってみたいけど、近くロンドンに行く予定なんてない…といった方へ朗報です。
なんと2020年に世界初の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」が日本で開催されるとのこと。
展示内容は61点のみのようですが、ゴッホの『ひまわり』やフェルメールの『ヴァージナルの前に座る若い女性』など、有名作品がたくさん来日するらしいので、興味のある方はこの機会をお見逃しなく!
↓こちらの動画で来日予定の全作品が紹介されています。
いやーこれは行きたい。
けど混雑がすごそうなので、僕はいったん様子見します。笑
特に大阪会場はオリンピック開催期間とかぶるので、世界中から人が集まってすごいことになりそうですね…。
開催都市 | 東京 | 大阪 |
---|---|---|
会場 | 国立西洋美術館 | 国立国際美術館 |
期間 | 2020/3/3〜6/14 | 2020/7/7〜10/18 |
開館時間 | 9:00〜17:30(金、土は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで |
未定 |
閉館日 | 毎週月曜日、3/30、5/4 | 未定 |
Googleマップでナショナル・ギャラリーの雰囲気を体験してみよう
2020年まで待てない、もしくは東京も大阪も遠くて行けないという人は、バーチャルツアーなんていかがでしょうか。
実はナショナル・ギャラリーの内部は一部、Googleマップのストリートビューで公開されています。
もちろん実際に訪れて、本物の作品を見るのが一番ですが、このストリートビューだけでも、作品の大きさや展示のされ方など、かなり具体的な雰囲気が感じられると思うので、一度こちらで徘徊してみるのも面白いと思います。
ナショナル・ギャラリーは美術館に興味がない人にもおすすめです
ロンドンにあるナショナル・ギャラリーは、大英博物館などに比べるとそれほど大きくないので、お目当の作品を見るだけであればサクッと回れちゃいます。
入場無料なので、「絵画とか興味ないんだけど…」といった方も機会があればぜひ一瞬でもいいので訪れてみてください。
きっと一瞬のつもりが、作品の魅力にどんどんひきこまれて、あっという間に時間がすぎていくはずです。
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