インド旅行の定番!世界遺産タージ・マハルへ
王様の愛の物語をつむぐ霊廟、タージ・マハル。
インド旅行のド定番なだけあって、連日多くの観光客で賑わっています。
今回は、そんな世界遺産にも登録されているタージ・マハルに関する歴史や施設情報などの予備知識、実際に観光する際の見どころや注意点などについて紹介していきます。
タージ・マハルにまつわる歴史
インドのアーグラにあるタージ・マハルは、ただの大きなお墓です。
かつてインドにあったイスラム国家、ムガル帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンが、1631年になくなった妻ムムターズ・マハルのために建てたもの。
国家の財政を傾かせるほどの大金が注がれ、約22年の歳月をかけてつくられたタージ・マハルは、インド・イスラーム建築の最高傑作とも言えます。
イスラム建築の美学である”対称性”を追求したシャー・ジャハーンは、タージ・マハルが建つヤムナー川の対岸に、黒色の大理石を使った自分用の廟(タージ・マハル2号?)を建てようとしましたが、ムガル帝国第6代皇帝となった息子のアウラングゼーブに幽閉されてしまったことでこの夢は潰えてしまいました。
幽閉されたアーグラ城で一生を終えたシャー・ジャハーンは、アウラングゼーブによってタージ・マハル内に眠るムムターズ・マハルの隣に安置されています。
タージ・マハルへの行き方
タージ・マハルへ行くにはまず、インドの首都デリーからシャタブディ・エクスプレス(SHATABDI EXPRESS)という特急列車を使ってアーグラ・カント(Agra Cantonment)駅へ向かいます。
ニューデリー駅からアーグラ・カント駅までの所要時間は2〜3時間ほど。
アーグラ・カント駅に到着したら、オートリキシャーを使って20〜30分ほどでタージ・マハルに到着します。
タージ・マハルまでのリキシャーの料金目安は80〜100ルピーほど。
駅にはリキシャーがいっぱいいるので、あまりに高い値段を提示されたら無視をしてすぐに他の運転手に交渉しましょう。
ニューデリー駅から出ているシャタブディ・エクスプレスは、朝から夜まで運行しているため、この列車を使うことでデリーから日帰りで観光することも可能です。
シャタブディ・エクスプレス以外の急行でも、アーグラに向かうことはできますが、片道の所要時間は3〜4時間を見ておくといいでしょう。
タージ・マハルの入場料金や営業時間について
営業時間 | 日の出30分前 から 日の入30分後 まで |
---|---|
定休日 | 金曜日 |
入場料金(16才以上) | 基本:1100ルピー(水と靴カバー料金込み) 霊廟内部:200ルピー |
公式サイト | https://www.tajmahal.gov.in/index.html |
タージ・マハルの入場料金はどんどん値上がりしているので、思い立ったら早めに訪れることをおすすめします。
オンラインでチケットを購入すれば基本のチケット料金から50ルピーが値下げされるので、少しでも節約したい方、当日チケットに並ぶのが面倒な方はチェックしてみてください。
タージ・マハルは夜でも見学できる
タージ・マハルの営業時間は基本的に日の出から日の入りまでですが、満月の日とその前後2日間のみ、夜間に見学することができます。
1日最大400人まで入場でき、見学時間は20:30~0:30のいずれか30分間のみ。
興味がある方は、前日にモール・ロード沿いにあるASIオフィスで申し込みをしましょう。(夜間入場チケットは前日のみの販売です。)
なおタージ・マハルの定休日である金曜日とラマダン月は、夜間見学は行なっていないのでご注意を。
↓ASIオフィスの場所
タージ・マハルの見どころを紹介
タージ・マハルは各入場門から前庭部、大楼門、庭園部、霊廟と綺麗に区画されているため、非常に観光がしやすいです。
前庭部
まず、タージ・マハルに入場して見えてくるのが、前庭部。
ここには従者のための部屋や、馬車をとめておく場所などがあります。
この時はあいにく工事中の建物もありましたが、伝統的なインド・イスラム建築と緑の調和が美しい場所でした。
大楼門
前庭部から庭園へとつながる高さ30m、幅46mの大きな門。
上部にはイスラム建築独特の大きなアーチがみられます。
この大楼門は、タージ・マハルの定番の写真スポットなので、ご覧のとおり常に人がたくさんいます。
チップ目的で写真撮影やガイドを申し出てくるインド人もいる(日本語が喋れる人もいる)ので少しばかり警戒しておきましょう。
チャールバーグ(四分庭園)
大楼門と霊廟の間に広がる庭園。
この庭園には、天国にあるとされる川をあらわした4本の水路が流れており、この水路が交わるところに天国の泉をあらわす池が配置されています。
こちらがその池。
みんなタージ・マハルのてっぺんをつまむおなじみのポーズで写真を撮っています。
ちなみにインド人は、タージマハルと同じくらい外国人にも興味があるようで、ここのベンチで休んでいると「一緒に写真撮って!」と言われることが多く、有名人気分を味わえます。
霊廟
庭園を通り抜けるといよいよメインの霊廟です。
思っていたよりも、とにかくデカイ。
四方に立つミナレット(尖塔)がタージ・マハルの美しいバランスを生み出しています。
霊廟には多くの小窓らしきデザインがされていますが、それぞれ部屋があるわけではなく、内部はただの大きな空洞です。
霊廟内部は土足厳禁なので、入場時にもらった靴カバーを履いて列に並びます。
内部に入る直前。
タージ・マハルに施されたアラベスクなど細かい装飾が目の前に見えます。
装飾には翡翠、水晶、トルコ石、サファイア、アメジストなどなど、多くの宝石が使用されており、これらの素材は、中国やチベット、スリランカ、ペルシャといった世界各国から取り寄せて作られました。
財政が傾くほどの国費が投下された理由がよくわかりますね。
撮影禁止の内部はだだっ広い空間で、真ん中にシャー・ジャハーンとムムターズ・マハルの暮石のレプリカが置いてありました。
霊廟見学の列が途切れることはないので、暮石を見る際は基本立ち止まることができません。
霊廟の裏
霊廟を抜けると少し広場のような空間が広がっています。
みんなひと通り観光を終えて、ここでゆっくりしているようでした。
シャー・ジャハーンが黒色のタージ・マハル建設を夢見ていた対岸もここから眺めることができます。
集会所とモスク
霊廟の両側には、全く同じつくりをしている集会所とモスクが建てられています。
どちらも中は大きな空洞になっていますが、モスク側にのみ、メッカの方角を記したミフラーブ(壁龕。壁のくぼみに作られた彫刻)があります。
夕日を見るならマターブ・バーグ公園へ
タージ・マハルの有名な夕日スポット、マターブ・バーグ。
ここは、先ほど霊廟の裏から見えたヤムナー川の対岸に位置する公園。
そう、黒いタージ・マハル建設の予定地だった場所です。
サンセットが美しいことで有名なので、日の入り時間になると多くの観光客が集まってきます。
このときは残念ながら曇りでしたが…。
ただ川を挟んで眺めるだけでも、また一味違ったタージ・マハルを見ることができるので、夕日が見れなくてもここに来る価値はあります。
マターブ・バーグはタージ・マハルとはうってかわって人が少なく、常に静かなので、高い入場料を払ってまでタージ・マハルを見たくないという人(アーグラに来てまでそんな人いるのかは知りませんが笑)にはおすすめです。
ちなみにタージ・マハルからマターブ・バーグまでのリキシャ料金は交渉の末、2人で150ルピーでした。
↓マターブ・バーグの場所
ベストシーズンと所要時間
タージマハル観光のベストシーズンは、乾季にあたる10〜3月です。
このうち11〜2月は朝に霧が発生することが多く、タージマハルが見えないなんて日もあるようなので、一番観光に適しているのは10月と3月でしょうか。
乾季はベストシーズンではありますが、日照りの強さと人混みには十分に注意しましょう。
乾季に訪れる場合は比較的人が少ない早朝に見学することをおすすめします。
また、所要時間に関してですが、チケット購入に並び、荷物検査に並び、大楼門から思う存分写真を撮り、タージ・マハルの内部を見学し、対岸を眺めるとなると、なんだかんだ3時間はかかると思います。
庭園のベンチに座ってゆっくりしたり、モスクなどもじっくり見たい場合は4時間は見ておいたほうがいいでしょう。
タージ・マハル観光の注意点
- 客引きの勢いが尋常じゃない
- 持ち込み禁止の物が曖昧
客引きの勢いが尋常じゃない
タージ・マハルは周辺の客引きがかなり激しいです。
特に驚いたのが南門前。
ここにいる客引きたちは、インド滞在中、いや世界一周中に訪れたどの場所よりも激しいものでした。
南門前は一本道になっているのですが、通りに一歩足を踏み入れると、左右にずらーっと並んでいるお店というお店からものすごい勢いで人が近づいてきて「俺の店にこい!」「荷物無料で預かってやる!」「チャイ飲んでけ!」などもみくちゃにされました。
どさくさに紛れてスリとかも起きやすいと思うので、この南門あたりを通るときは十分に注意が必要です。
また、西門にいる馬車の客引きも、激しさはありませんでしたが、しつこさはさすがインド人って感じだったので、タージ・マハル周辺では警戒モードをMAXにしておきましょう。
持ち込み禁止の物が曖昧
一応タージ・マハル前に持ち込み禁止物の一覧が掲示されていますが、その基準が曖昧で、人によって持ち込み禁止のものが変わってきます。
カメラはいいけどスマホはダメだと言われたり、バッテリーはダメだと言われたり…。
僕も一度、メインの南門から入ろうとしたら「そのバッグはダメだ」と入場を断られました。
おそらくですが、タージ・マハル内に持ち込みできるバッグの大きさは、カメラ一つ入るくらいのショルダーバッグが限度です。
荷物検査に引っかかると、西門か東門から歩いて10分ほどの場所にある荷物預り所で荷物を預けないといけないので、はじめから余計なものは何も持って行かないほうがいいでしょう。
ちなみにカメラは問題なく持ち込みできましたが、タージ・マハル前の庭でビデオ撮影していたら係員に止められました。
どうやらタージマハルでは以下のように撮影エリアが限定されているようなので、カメラやビデオの持ち込みを考えている方は参考にしてみてください。
- 前庭部〜大楼門:写真・ビデオ撮影共に可
- 庭園:写真撮影は可、ビデオ撮影は不可
- タージマハル内部:写真・ビデオ撮影共に不可
実物のタージ・マハルは写真の比ではなかった
「あんなのただの墓にすぎない」
「アーグラにはなにもない。行かないほうがいい」
こんなことを他の街のインド人に散々聞かされてから訪れたタージマハル。
実際に訪れて思ったことは、
「嘘つくなよ。どう考えても素晴らしいじゃねーか…」です。
写真ではなんども目にしたことはありましたが、実物のタージ・マハルは迫力も美しさも段違いだったので、インド人にのせられて見逃すなんてことのないようにしましょう。
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