あまりにも生々しい…トゥール・スレン虐殺博物館で見た人間の狂気

トゥールスレンの慰霊碑 カンボジア旅行

罪のない人が拷問された地「トゥール・スレン」

カンボジア・プノンペン市内にあるトゥールスレン虐殺博物館。

プノンペン郊外にあるキリングフィールドが虐殺を実行する場所ならば、ここトゥールスレンは拷問を行う場所です。

建物内部の撮影はほとんど禁止されていて写真は少ないですが、本記事でトゥールスレン虐殺博物館の雰囲気について少しでもお伝えできればと思います。

トゥール・スレン虐殺博物館とは(概要・入場料など)

トゥールスレンは、原始共産主義者ポル・ポトが率いるクメール・ルージュによって革命が達成されたあと、反革命分子とされた人たちが収監されていた場所です。

ここはもともと高校でしたが、クメール・ルージュの支配下において学問は禁忌だったため、S21という暗号で呼ばれる秘密の政治犯収容施設として使われていました。

1976年〜79年の間にトゥールスレンに収容された人は約2万人にも上り、生存者はたったの8人しかいなかったそうです。

現在は「トゥール・スレン虐殺博物館」という名前で一般公開されています。

内部は当時の状態のまま残されているものが多くあり、とにかく生々しい展示が印象的です。

トゥールスレン虐殺博物館の基本情報
営業時間  8:00 〜 17:00
休館日  なし
入場料 5ドル

(音声ガイド:3ドル)

住所  Tuol Sleng Genocide MuseumSt.113, Boeung Keng Kang III, ChamkarmornPhnom Penh, Cambodia
公式サイト  http://tuolsleng.gov.kh/en/

トゥールスレンの内部の様子

ここからはトゥール・スレン虐殺博物館の施設内の様子をお届けします。

施設発見時に残されていた人たちの慰霊碑

まず最初に目に入ってきたのが、このお墓のようにならべられた石たち。

トゥールスレンが発見された時に遺体で残されていた14人のための慰霊碑だそうです。

ベトナム軍によって制圧される直前に殺害されていたことから、トゥールスレンにおける最後の犠牲者ともいえますね。

撮影禁止の建物内

もともと校舎として使われていた建物の内部では、当時の状態のままにされた部屋や、写真などの資料を見ることができます。

  • 犠牲者の方の写真
  • クメールルージュの看守の写真
  • 人型に凹んだ鉄製のベッド
  • 細すぎる足枷や手錠
  • 大量の血の痕が残った拷問部屋

などが展示されており、そのほとんどが撮影禁止でした。

3階の廊下の様子。
写真だけ見ればただの古びた学校に見えますね。

現に部屋の壁には黒板が貼ったままだったり、校舎の名残も多くありました。

トゥールスレンで看守として拷問を行なっていたのは、ほとんどが10代の子供たち。

読み書きもできなかった(※)ので、数をかぞえるときは壁に線を書いていたそうで、そのあとも残っています。

※知識を備えてると少しでも疑われると収監されてしまうので、読み書きができた子もできないフリをしていたといわれています。

拷問に使われていた遊具

もともと子供たちが運動をするために建てられていた遊具。

クメールルージュはこれを拷問に使っていました。

まず両腕を背中で結んでロープで吊るし上げ、気を失うまで上下に揺さぶる。

そして気を失うと肥料(汚物)入りのかめの中に頭を突っ込んで意識を回復させ、ふたたび吊るし上げるということを繰り返していたそうです。

なにもやっていないと正直に話せば永遠に拷問を受け、なにか作り話をして自白をすれば拷問は止められるが死刑になる。

これが自国民に対して行われてたんだから、もうめちゃくちゃな話ですよね。

自殺することも許されない生活

いくつか残されている校舎の一つであるC塔には、受刑者が自殺しないように(※)有刺鉄線がはりめぐらされていました。

毎日いわれのない罪のために続く尋問と拷問。

医者は殺してしまったため、拷問による傷も治療されることはなく、傷口には塩水をかけられ、薬のかわりに野菜を食べさせられるだけ。

衛生状態が最悪な部屋の中にしきつめられる生活。

あまりにも空腹すぎて、部屋の中に飛んできた虫を捕まえて食べる人もいたそうです。

こんな状況では死んだほうがマシだと思うのも無理のない話かもしれません。

※受刑者が死んでしまうと管轄していた看守の責任になり、かわりに看守が拷問を受けて殺されてしまうため、刑の執行以外で死んでしまうことがないように見張られていたようです。

校庭に掲げられた慰霊碑

元々は高校の校庭だったであろう場所に、大きな慰霊碑が建てられていました。

この慰霊碑の周りにはベンチも置かれているので、犠牲者の方々にお祈りをして、数多くの悲惨な展示を見たあとの気持ちを少し落ち着かせるのもいいと思います。

「民主カンプチア時代に犯した罪を、我々は絶対に忘れない。」

忘れないのはもちろんのこと、特に若い世代や国外の人たちなど、少しでも多くの人にこの事実を伝えつづけることが大切ですね。

トゥールスレン虐殺博物館を見学する際のポイント

  • オーディオガイドは必須
  • 滞在時間は十分に確保しておきましょう
  • 心の準備をしていきましょう

トゥールスレン虐殺博物館はオーディオガイド前提で展示がされているので、必ず入り口で借りることをおすすめします。(日本語あり)

オーディオガイドでは、部屋や展示に関する詳しいエピソードや、クメールルージュに関する説明などを聞くことができます。

なおこのオーディーガイドを全て聞くと3時間ほどかかるので、見学にかける時間はかなり多めに見積もっておきましょう。

また、トゥールスレン内の展示物は本当に生々しく、普通の心の持ち主ならほとんどの人が胸をえぐられるような気持ちになると思うので、しっかりと事前知識を入れるなど、心の準備をしてから行くことをおすすめします。

敷地内にはベンチも多く設置されているので、拷問部屋や写真などを見て気分が悪くなってしまった場合は、休憩をはさみながらゆっくりと見学するようにしましょう。

そういった意味でも、時間には余裕をもって訪れるといいですね。

ただの遺産にしてはいけない場所

トゥールスレンとキリングフィールドを合わせて見学したことで、人間に本来眠っている悪の部分をこれでもかと見せつけられる体験となりました。

これをただの過去の出来事としてとらえるのは簡単ですが、二度と同じことがおきないように全ての人が関心を持って次に繋げていくことが必要であり、また難しいことでもあります。

カンボジアを訪れた際はアンコールワットだけじゃなく、こういった負の遺産にも訪れて、少し考えを巡らせてみてはいかがでしょうか。

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